米大手投資銀行モルガン?スタンレーのローチ?チーフエコノミスト(グローバル経済分析部門(mén)総監(jiān))はこのほど、上海市にある中歐國(guó)際工商學(xué)院(CEIBS)で開(kāi)催されたハイレベル管理フォーラムで講演した。
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過(guò)去27年間の中國(guó)の発展には目を見(jiàn)張るものがある。しかし固定資産投資と輸出のけん引力に依拠した発展モデルを長(zhǎng)く継続させることは難しい。
これから3~5年の間に、中國(guó)は輸出と投資にばかり依存した成長(zhǎng)モデルから徐々に脫卻して、これまでゆるがせにしてきた個(gè)人消費(fèi)により大きくシフトしなければならない。もっとも、これは輸出と投資が増加しないということではない。中國(guó)の都市化と工業(yè)化は依然として投資を必要としているし、輸出は雇用の増大や生産の拡大を可能にする。中國(guó)に最も必要なのは、よりバランスのとれた多様な成長(zhǎng)モデルである。
現(xiàn)在、中國(guó)では新たな、バランスの取れた経済発展の必要性が積極的に議論されるようになってきた。特に重要な問(wèn)題は都市と農(nóng)村との格差で、農(nóng)村人口の収入と消費(fèi)能力の大幅な増加が求められている。都市と農(nóng)村の消費(fèi)狀況を完全に一致させることは不可能だが、格差を縮小するよう努力することは可能だ。この格差縮小は長(zhǎng)期にわたる困難な任務(wù)になるだろう。
ある調(diào)査によると、1997年以來(lái)、中國(guó)の家庭では自身の貯蓄水準(zhǔn)に対する不満がどんどん大きくなっている。これは一見(jiàn)するとおかしい話(huà)だ。なぜなら広く知られるように、中國(guó)の家庭の貯蓄率は世界で最高レベルだからだ。このような不満足感の原因はどこにあるかというと、経済に対する不安に由來(lái)している。こうした不安は人を容易に「予防手段としての貯蓄」に駆り立てる。つまり心配から貯蓄に走るのである。中國(guó)の第11次五カ年計(jì)畫(huà)(2006~2010年)では、都市?農(nóng)村の個(gè)人消費(fèi)拡大の方針を打ち出している。また社會(huì)保障基金の必要性を強(qiáng)調(diào)し、特に全國(guó)的な社會(huì)保障システムの構(gòu)築が必要としている。これは大変に賢明なことだ。
しかしこれで中國(guó)の消費(fèi)者がただちに世界経済のエンジンを発動(dòng)させるということではない。中國(guó)では消費(fèi)の起點(diǎn)が低いため、中國(guó)の消費(fèi)者が短期間で世界経済に一大変化をもたらすことはあり得ない。2005年の國(guó)內(nèi)消費(fèi)額は米國(guó)が9兆ドル、中國(guó)は1兆ドルだった。これは米國(guó)の消費(fèi)者が消費(fèi)を1ポイント減らし、中國(guó)の消費(fèi)者が消費(fèi)を9ポイント増やして、初めて両者の間の格差が解消するということだ。つまり、格差は一晩の間に解消するようなものではない。
これと反対に、世界で最も「金遣いの荒い」米國(guó)の消費(fèi)者に対しては一定の措置を取る必要がある。米國(guó)の貯蓄率は世界最低であり、このことが世界経済にとって深刻な問(wèn)題になっている。米國(guó)が少し貯蓄を殖やし、中國(guó)が少し支出を増やせば、世界経済はより安定へと向かうだろう
「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2006年11月22日