工業汚染防除は中國の環境保全活動の重點である。以前と比べて、中國の工業汚染防除戦略はいま大きな変化が生じつつあり、末端での防除から汚染発生源と全過程での抑制へ、濃度抑制から総量抑制と濃度抑制の結合へ、発生源での汚染防除から流域と區域の総合的除去へ、企業による簡単な防除から産業構造調整、クリーン生産、循環経済発展へとちくじ転換している。1995年と比べて、2004年の全國の國內総生産(GDP)単位あたりの工業廃液、工業化學の酸素必要量、工業の二酸化硫黃、煙塵、粉塵の排出量はそれぞれ58%、72%、42%、55%、39%減少した。1990年と比べて、2004年の全國のGDP1萬元あたりのエネルギー消耗は45%減少し、累計標準炭7億トン相當のエネルギーを節約し、少なく使用し、火力発電の石炭消耗、粗鋼製造トンあたりの比較可能なエネルギー消耗、セメントの総合的エネルギー消耗はそれぞれ11.2%、29.6%、21.9%減少した。
――技術が立ち遅れ、汚染がひどく、資源を浪費する一部の企業を淘汰、閉鎖した。第9次五カ年計畫(1996~2000年)期に、國は資源をひどく浪費し、環境を汚染する小企業を8萬4000社閉鎖した。2001年から2004年にかけて、立ち遅れた生産能力、技術、製品を淘汰する目録を3回連続して公表し、資源を浪費し、ひどく汚染する企業を3萬余社淘汰するとともに、資源を大量消耗し、環境をひどく汚染する鉄鋼、セメント、電解アルミ、鉄合金、電気石、コークス、サポニン、クロム塩など8つの重度汚染業種に対し集中整頓を行い、1900余件のプロジェクトの建設を中止し、延期させた。2005年には、汚染がひどく、産業政策に合致しない鉄鋼、セメント、鉄合金、コークス、製紙、紡織?捺染などの企業を2600余社閉鎖するとともに、セメント、電力、鉄鋼、製紙、化學工業など重度汚染をもたらす業種に対し総合的整備と技術改造を積極的に展開し、これらの業種に生産量が年毎に増加する狀況の下で主要汚染物の排出量を持続的に減少する狀態を保たせている。
――循環経済の実踐を展開する。第一はクリーン生産を行い、企業生産の最初の部分と全過程で資源を十分に利用し、廃棄物を最小化、資源化、無害化させ、生産者の責任延伸制度をちくじ確立し、製品の生態設計を促進する。現在、化學工業、軽工業、電力、石炭、機械、建材などの業種の5000余社の企業はクリーン生産の審査にパスし、全國で1萬2000余社の企業はISO14000環境管理體系認証を獲得し、800余社の企業、1萬8000余種の規格の製品は環境標識認証を獲得し、年産額は約600億元である。第二は工業集中地區で生態工業を積極的に発展させ、上流企業の廃物を下流企業の原料にし、生産チェーンを延ばし、廃棄物の産出量を最小限に減らし、「ゼロ排出」を実現するとともに、生態工業區を建設し、區域または企業群の資源の最も効果的な利用を実現する。現在、中國は類型の異なる生態工業ゾーンを17カ所建設した。第三は工業と農業、生産と消費、都市と農村の発展を統一的に計畫し、資源を循環利用する産業を大いに発展させ、持続可能な生産と消費を実行する。國は重點業種、重點分野、産業ゾーンと関係省市で82社を選んで最初の循環経済の試行を展開している。北京、上海など24の都市で再生資源回収體系建設を試行し始めた。海南、吉林、黒竜江などの9省は生態省建設を積極的に展開し、全國の150の県(市)で生態県(市)作りを展開している。
――突発的な環境事件を積極的に防備する。2005年、中國政府は「國家突発環境事件応急対策」を制定し、突発的な環境事件の情報受信、報告、処理、統計分析および警報情報モニタリング、情報公開などに対し、明確な要求を提出した。國は重點流域の敏感な水域にかかわる水環境応急対策、大気環境応急対策、危険化學品(廃棄化學品)応急対策、核と放射の応急対策など環境と関係ある9つの応急対策および「黃河流域敏感區間水環境応急対策」「化學テロ事件処理応急対策」「核と放射テロ事件の処理応急対策」「農業環境汚染突発事件応急対策」「農業の重大な有害生物および外來生物の侵入による突発事件応急対策」などの突発的な環境事件の応急対策を制定、整備した。ここ數年來、中國は全國の川岸、湖岸、海岸、人口集中區、自然環境保全區などの環境敏感區付近に分布している127件の重點的な化學工業と石油化學工業類のプロジェクトに対し、環境リスク狀況の調査と排除を行い、5萬社近くの重點企業に対ししらみつぶし式の全面的な検査を行った。
――工業の危険廃棄物に対し、全過程管理制度を実行する。國は2003年から「全國危険廃棄物と醫療廃棄物処理施設建設企畫」を実施し始め、工業の危険廃棄物移転伝票、経営許可証などの諸制度を強化した。2005年の工業の危険廃棄物処理量は1998年の131萬トンから339萬トンに増えた。全國の31の省、自治區、直轄市は固體廃棄物管理センターを開設した。
――厳格な核と放射の環境安全管理を実施する。中國に稼動中の原子力発電所が5カ所(原子力発電ユニット9基)、研究用原子爐が1基あり、建設中の原子力発電所が2カ所(原子力発電ユニット4基)、研究用原子爐が1基あるが、重大な原子力安全問題が現れたことがなく、「従業員、公衆、環境が國の規定した限界値を超えた放射照射と汚染を受けないように保護する」目標を達成した。中國は國際原子力機関(IAEA)の公布した「放射源の安全と保安行為準則」を厳守し、許可証制度を実施し、放射源の輸出入は法によって審査?認可などの関係手続きを履行しなければならないと規定している。